早期治療(二次予防)
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職場のメンタルヘルス対策として、勤怠管理や、労働安全衛生に対する知識の向上や情報収集などの社員教育が、一次予防として位置づけられています。これに対し、二次的な予防としては、問題の早期発見と早期治療が求められます。ここでは二次予防のうち、早期治療について触れていきます。
早退・遅刻や欠勤などとともに仕事上のミスやトラブルが増えたり、勤務態度等に異変を感じた場合、本人から話を聴く場を早期に設けることが肝要です。この際、本人の話を聴くという姿勢が大切であり、上司としての考えや意見、判断など一方的に押し付けたり、叱咤激励することがないよう配慮する必要があります。上司が傾聴的な姿勢で接することによって、本人のストレスや悩みが軽減し、うつ病にまで発展しなくてすむ場合もあります。
その場では、本人の置かれている状況や自覚症状について確認することを中心に据えます。自覚症状には精神的なものと身体的なものとがありますが、重視するのは身体的な自覚症状です。特に「眠れない」「食欲がない」「だるい、疲れやすい」といった3つの特徴を確認する必要があります。これらは「うつ病」の特徴的な前駆症状であるため、本人との会話を通して確認されれば、速やかに医療機関の受診を勧めることが大切です。
受診する医療機関としては「精神科」「神経科」「心療内科」などがあります。受診と一口にいっても、本人にその気がなければ受診に至らないこともあります。強制することなく、そっと後押しできるような関わりが求められます。その際、早期治療に結びつけるためには、会社として具体的な医療機関を紹介できることが望ましいとされています。企業内に産業医がいる場合は、その専門スタッフと連携するのも方法ですし、最寄の保健所や市町村保健センターに問い合わせれば、医療機関に関する情報を入手することができます。
早期に受診し、診断を得ることが、最悪の事故を未然に防ぐ予防対策になります。うつ病は必ず治癒する疾患であることを本人も周囲も正しく理解しておかなければなりません。たとえ「うつ病」と診断されても、そのことでかえって本人が前向きな気持ちになり、しっかりとその疾患と向き合えるケースも少なくありません。積極的に治療に専念できれば、早期に職場復帰することも可能となり、貴重な人材を失わずにすみます。
また、詳細は別の項に譲りますが、企業が外部EAP(従業員支援プログラム)プロバイダ-と契約している場合は、その機関を紹介することも方法です。EAPは医療機関ではありませんが、心の問題を抱えた従業員の相談・カウンセリング・医療機関の紹介などを行ってくれます。アメリカなどでは既に広く普及しているシステムですが、最近では日本でもEAPを導入する企業が増えてきています。
そして、専門医療機関を受診し、医師から「休職」の必要性がある旨の診断書が出されたら、本人に対して休職を命じる必要があります。その際、休職中の対応や復職後の対応について、ある程度明確に伝え、本人が安心して休養に専念できるよう配慮することが大切です。