メンタルヘルス対策
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中小を含めた日本の企業のなかで、何らかのメンタルヘルス対策に取り組んでいる割合は全体の3割にも満たないといわれています。この対策がなかなか促進しない理由として、「取り組み方がわからない」「経費がかかる」「必要性を感じていない」「従業員の関心が低い」「専門スタッフがいない」などとなっています(厚生労働省調査より)。
しかし、「心の健康」に関して国民の関心が高り、その重要性が認識されつつある現在、そしてメンタルヘルスに関する情報量が増えてきている最近の傾向などから、企業経営者は上記のような理由を口実にできなくなっているのでないでしょうか。予算や専門スタッフなどの問題が全て解消し、準備が整ってからメンタルヘルス対策を始めるのではなく、できるところから着手する、そして企業の置かれている状況や、企業内におけるメンタルヘルス不全の状況に合わせて対策を見直していく。このような姿勢で十分な効果が期待できるとされています。まず第一歩を踏み出すことが大切です。
メンタルヘルス対策を怠った企業、目を背けようとするとする企業は、結果的に会社のために頑張った優秀な人材をなくし、全体の生産性を落とすことになりかねません。さらには、労災や訴訟問題になった場合、会社のイメージダウンはまぬがれないといえるでしょう。そうならないためにも、企業全体が、メンタルヘルス対策に、真摯に向き合うことが求められています。
メンタルヘルス対策で最も重視されるのは、うつ病などとの精神疾患と関連性が深いとされる「長時間労働」の解消に向けて取り組むことです。時間外労働をいきなり”ゼロ”にすることは、企業が現在置かれている状況からも難しいかもしれません。しかし、業務の効率化、人員の適正配置などを手始めに、少しずつでも過剰な時間外労働を減らしていくよう、努力していくことが求められます。既に触れましたが、メンタルヘルス対策の経済効果、費用対効果は決して小さくないことを企業経営者は正しく認識していくことが必要です。
メンタルヘルス対策を社内で推進していくうえで、参考になるのが「労働者の心の健康の保持増進のための指針」です。この指針は「メンタルヘルス指針」とも呼ばれ、平成12年に厚生労働省によって策定されました(平成18年に改訂)。詳細は別の項に譲りますが、円滑に対策をすすめていくには、社内に推進担当者を置くことが求められています。
この推進担当者は、事業場内で産業医などともに産業保健スタッフの一員として位置づけられ、職場環境の維持管理および改善、健康教育やメンタルヘルス教育・相談など、重要な役割を担います。こういった理由もあり、推進担当者は人事労務部門から選任することが適切とされています。
推進担当者にはメンタルヘルス対策に関する相応の知識が必要となりますが、書籍やセミナー等を通じて学ぶ方法や、「メンタルヘルス・マネジメント検定」という資格(大阪商工会議所主催)取得を目指して勉強することも効果的です。
推進担当者を社内に置くことのほか、企業経営者が配慮することは、全てを推進担当者任せにしないということです。対策自体はトップダウンで行う必要があり、推進担当者が社内で活動しやすいよう全面的にバックアップすることが求められます。具体的には、メンタルヘルス不全の問題に対応できるよう就業規則を整備することや、一般社員や管理職などを対象とした教育研修の実施、推進担当者をサポートする外部相談先の確保、などがあげられます。