過労死認定基準

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過労死認定基準

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 近年、労働者を取り巻く労働条件や職場環境の悪化・変化により、メンタルヘルスに不調をきたす人が増えてきています。それに伴い、過重労働や職場のストレスなどを発症の原因とする、うつ病、パニック障害、適応障害などの精神障害の労災申請と労災認定件数が、徐々に増加している傾向にあります。

 精神障害ばどによる労災請求件数と認定件数は、平成10年に42件の請求に対し4件(このうち過労自殺3件)の認定であったのが、平成11年には155件の請求に対し14件(このうち過労自殺11件)の認定となり、そして平成17年度は656件の請求に対して127件(このうち過労自殺42件)の認定というように推移しています。

 平成19年5月16日に厚生労働省は平成18年度の労災補償状況について集計結果を公表しました。それによると、平成18年度は819件の請求に対し205件(このうち過労自殺66件)の認定、過去最多を記録しています。また、脳・心臓疾患による労災認定件数も過去最高の355件となっています。精神障害で労災認定を受けた人のうち、うつ病関連が106人、残りの99人は神経症やストレス関連障害となっています。職種別では、システムエンジニアや医療従事者などの専門技術職が60人と最も多く、それに次いで、事務職、技能職となっています。年齢別では、30歳代が突出しており、全体の4割を占めていることがわかりました。近年の認定件数の増加は、長時間労働や成果主義の浸透がその背景にあると、厚生労働省もみています。

 特に平成11年度から労災請求が急に増えた背景には、「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」と「精神障害に係る自殺の取扱いについて」(平成11年9月 当時の労働省(現在の厚生労働省)が発表)が通達されたことと無関係ではないといわれています。これらの通達により、業務上の精神疾患と過労自殺の判断・認定基準がつくられたこととなり、認定に要する時間が短縮されたのです。

 それまでは、「自殺」は、労災補償として認められていませんでした。というのも、「労働者が故意に負傷、疾病、障害もしくは死亡、またはその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は保険給付を行わない」という労災保険法(12条2の2)の規定があったためです。さらに、精神障害の発生に内因性(遺伝的なもの)のものが関与していたとなると、業務起因性がないと判断され労災認定の対象から外されてしまったことも関係していました。

 しかし、「うつ病や重度ストレス反応等の精神障害では、病態として自殺念慮が出現する蓋然性が高いとされていることから、業務による心理的負荷によってこれらの精神障害が発病したと認められる者が自殺を図った場合には、精神障害によって正常の認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で自殺したものと推定し、業務起因性を認めることとする。」との通達が出され、「過労自殺」は労災補償の対象となったのです。

 精神障害の発生による労災認定の判断指針は以下のようになります。労災として認められるか否かは、精神障害が業務上の疾患であるか、業務外の疾患であるかに関わってきます。

■業務上・外の判断に当たっては、
 ①精神障害の発病の有無、発病の時期、疾患名の確認

 ②業務による心理的負荷の強度の評価
   たとえば、仕事の失敗、過重な責任の発生、仕事の質と量の変化など

 ③業務以外の心理的負荷の強度の評価
   たとえば、自分の出来事、家族・親族の出来事、金銭関係など

 ④固体側要因の評価
   たとえば、既往歴、生活史、アルコール等依存状況、性格傾向など

 ①から④について具体的に検討したうえで、以下の判断要件により総合的に判断されます。

■判断要因
 ①判断指針で対象とされる精神障害を発病していること
  判断指針で対象とされる精神障害とは、国際疾病分類の精神疾患(ICD-10)に該当する
  ものです(統合失調症、躁うつ病、パニック障害、適応障害など)。

 ②発病前おおむね6ヶ月の間に、精神疾患を発病させる恐れのある業務上の心理的
  負荷が認められること

 ③業務以下の心的負荷および固体側要因により、精神障害を発病したとは認められない
  こと

厚生労働省は、「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」の策定に対応するかたちで、平成12年8月に「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を示し、この指針はその後の平成18年3月に「労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルへルス指針)」として策定しなおされ、今日に至っています。(関連エントリー:『厚生労働省の指針とは』)

         

労災認定

平成11年9月に、厚生労働省から「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」が通達として出され、うつ病をはじめとした精神疾患等に関する労災認定基準が明確になりました。

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