「過重労働による健康障害防止のための総合対策」

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「過重労働による健康障害防止のための総合対策」

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 厚生労働省は、2002年に「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」(基発第0212001号)の通達を出しました。この通達は、過重労働による健康障害を防止することを目的としたものです。その後、労働安全衛生法の改正に伴い、2006年3月に策定しなおされました(基発第0317008号)。

 長時間労働は疲労の蓄積をもたらし、さらに脳・心臓疾患との関連性が深いことは医学的にも認められていることです。健康障害を発症する1ヶ月前または6ヶ月に渡り、1ヶ月当たり45時間以内の時間外労働と健康障害との関連性は弱いことが指摘されています。しかし、45時間を超えて時間外労働が長くなるほど、健康障害発症のリスクが徐々に高まっていくとされています。そして、「発症前1ヶ月に100時間を超える時間外労働、または発症前2ヶ月から6ヶ月(いずれかの月)に80時間を超える時間外労働」をしたことが認められる場合、業務と健康障害発症との関連性が強いと判断されることが示されています。

 過重労働による健康障害防止のためには、時間外・休日労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進等のほか、事業場における健康管理体制の整備、健康診断の実施等の労働者の健康管理に係る措置の徹底が重要です。また、やむを得ず長時間にわたる時間外・休日労働を行わせた労働者に対しては、面接指導等を実施し、適切な事後措置を講じるよう通達では規定しています。

【時間外・休日労働時間の削減】
 ■時間外労働を、36協定で定める限度基準以内に適合させる。
  『労働基準法 第36条』参照

 ■時間外労働を「臨時的なものに限る」と位置づけ、月45時間以下とするよう
  努める。

 ■労働者の労働時間を適正に把握する。
  『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について』参照

 ■労働時間等の設定の改善を図るため、必要な措置を講じる。
  『労働時間等設定改善指針』参照


【年次有給休暇の取得促進】
 ■年次有給休暇を取得しやすい職場環境づくりに努める。


【事業場における健康管理体制の整備】
 ■産業医及び衛生管理者等を選任し、健康管理体制を構築する。
  ・産業医を選任する義務のない事業場(50人未満の従業員の事業場)は、地域産業保健
   センターを活用する。

 ■衛生委員会等の設置
  衛生委員会や安全衛生委員会等において、労働者の健康管理について適切に調査審議を
  行う。


【健康診断の実施】
 ■1年以内に1回の定期健康診断の実施、また深夜業など特定の業務に就く労働者に対しては
  6ヶ月以内に1回の特定業務従事者健康診断を実施する。
  『労働安全衛生法 第66条』参照

 ■健康診断結果に基づく適切な事後措置の実施
  有所見者に対し、健康保持のために必要な措置について医師の意見を聴き、必要な事後
  措置を講じる。


【長時間労働者に対する面接指導の実施】
 ■面接指導実施の対象者
  ①時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり100時間を超える労働者であって、申し出を
   行った者 
       ⇒ 医師による面接指導を 「確実に実施する

  ②時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり80時間を超える労働者であって、申し出を
   行った者(ただし、①に該当する者は除外)
       ⇒ 面接指導を 「実施するよう努める

  ③時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり100時間を超える労働者(ただし、①に該当
   する者は除外)、または2ないし6ヶ月の平均で1ヶ月当たり80時間を超える者
       ⇒ 医師による面接指導を 「実施するよう努める

  ④時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり45時間を超える労働者で、健康への配慮が
   必要と認めた者
       ⇒ 面接指導の措置を 「講じることが望ましい


 また、本対策においては、過重労働で健康被害を出した企業には、再発防止の指導に加え、労働基準法などに違反している場合は法的処分を含めて厳正に対処するとしています。

         

その他行政の通達・指針

「労働者の心の健康保持増進のための指針」以外にも、メンタルヘルスに関連する行政の通達、指針等があります。
その幾つかを紹介します。職場のメンタルへルスケアの推進に役立てていただければと思います。

関連エントリー

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