うつ病の症状(サイン)
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継続的かつ過重な精神的ストレスが発症の背景にある「うつ病」は、その初期段階では本人はもとより、周囲もその兆候に気づくのが難しいといわれています。
本人は「迷惑をかけたくない」という思いと責任感の強さ、自分がまさか「うつ病」「うつ状態」に陥っているとは思いも及ばないこともあり、少々の心身の不調は隠して仕事に打ち込もうとします。周囲からみると、その姿勢が普段と変わりなく映るため、はっきりとした兆候が現れるまで見過ごしてしまうという構図ができてしまう傾向にあります。なかなか早期発見・早期治療や自主的な予防につながらないのは、こうした理由があります。
したがって、うつ病などのメンタルヘルス不全に関する正しい知識を習得し、精神疾患への偏見を少なくしていくことが非常に大切なこととなってきます。うつ病の場合、心身にどういったサインが現れるのか、またそれらにどう対処していけばいいのかを理解しておくことは、セルフケアを推進していくうえで欠かせない事項です。
それでは、実際に「うつ病」がもたらす心身のサインにはどのようなものがあるか、以降で触れていきたいと思います。
うつ病は精神面、身体面に次のような症状をもたらします。
【精神面(精神症状)】
◆感情面
・気分の落ち込み
うつ病は「気分障害」と呼ばれているように、感情の起伏が安定しなくなります。
憂うつ感、落ち込み、焦燥感、不安感やイライラなど落ち着かない感情として現
れてきます。また、感情が鈍化し、表情が無くなってくることもあります。
◆意欲面
・意欲の落ち込み
うつ病という疾患が”生きる”エネルギーを徐々に奪っていくため、何事に対して
も「億劫」になったり、気力が低下したり、根気が続かなくなって、意欲が湧いて
こない状態に陥ります。
これは決して「なまけ」や「怠惰」ではなく、「本人の心がけ」の問題でもない
ことを理解しておく必要があります。
◆思考面
・自信の喪失、判断力・決断力の低下
集中力の低下に伴い自分の考えがまとまらない。自分自身に対する自信がなくなって
くる。それらに伴って、判断力・決断力が低下する、など思考面での変化が認められ
るようになります。
【身体面(身体症状)】
◆不眠
うつ病の代表的な身体症状が睡眠障害です。睡眠障害には主に、「入眠障害(寝付きに
くい)」、「中途覚醒(夜中に何度か目が覚める)」、「早朝覚性(明け方早くに目が
覚める)」の3つがありますが、うつ病では入眠障害よりも、中途覚醒や早朝覚醒がみ
られるようになります。いずれにしても、質のよい睡眠が得られず、心身の疲労が解消
しきらないことになります。
◆食欲不振などの胃腸症状
ストレスを受けると自律神経に作用し交感神経が優位になるため、胃腸の働きが抑制
されます。また、胃壁などの血管が収縮するため血流が悪くなり、内壁の防御機能が
弱まります。その一方、胃酸の分泌が促されるので、内壁と消化液との均衡が崩れ、
胃・十二指腸潰瘍のリスクが高まることになります。このようなことにより、胃の不快感
や胃痛、腹部膨満感、食欲不振などの症状になってあらわれてきます。
◆頭部、胸部、背部などの痛み
うつ病の特徴のひとつとして、体の痛みに敏感になることが挙げられます。頭痛や歯痛、
胸痛、背中や腰、関節などに痛みを感じることがあるとされています。
◆その他
上記にあげた症状以外にもストレスは自律神経のバランスを保っている様々なホルモン
に影響を与え、口の渇き、頭重感、耳鳴り、めまい、肩こり、冷え性、月経不順、易疲労
性、倦怠感、便秘、性欲減退、体重減少(逆に食欲が亢進し、体重が増える場合もあり
ます)などの症状が現れてきます。
このような身体面の症状が現れると、まず内科を受診する傾向がありますが、薬を処方されても発症の背景にストレスの存在があるので、根本的な治療にはなりません。
上記のように、身体症状の方が前面に出て、精神症状が身体症状の下に隠れて目立たない場合、これを「仮面うつ病」と呼んでいます。