「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
スポンサードリンク
「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」は、厚生労働省が平成16年10月に発表され、心の健康問題で休業していた労働者が職場復帰するに際して事業者が支援すべき方向性を示したものです。
この手引きに規定されている事項は、医学的に業務に復帰するのに問題がない程度に回復した労働者を対象としています。事業者は衛生委員会等で調査審議しつつ、産業医等の助言を受けながら、事業場の実態に即した形で事業場の職場復帰支援プログラムを策定します。そして、その実施においては、労働者のプライバシーに十分配慮しながら、事業場内産業保健スタッフ等を中心に、労働者、管理監督者がお互いに十分な連携を取るとともに、主治医との連携を図りつつ取り組むことが重要であるとしています。
本手引きにおいて、職場復帰支援の流れは以下のようになっています。
【第1ステップ: 病気休業開始及び休業中のケア】
■労働者からの診断書(病気休業診断書)の提出
主治医によって作成された診断書を労働者より管理監督者に提出してもらう。
診断書には療養期間の見込みについても明記してもらうことが望ましい。
■管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等によるケア
管理監督者は、病気休業診断書が提出されたことを、人事労務管理スタッフ
及び事業場内産業保健スタッフに連絡する。休業を開始する労働者に対しては、
療養に専念するよう安心させると同時に、休業中の事務手続きや職場復帰支援
の手順についての説明を行う。
管理監督者及び事業場内産業保健スタッフ等は、必要な連絡事項及び職場復帰
支援のためにあらかじめ検討が必要な事項については労働者に連絡を取る。
場合によっては労働者の同意を得た上で主治医と連絡を取ることも必要となる。
【第2ステップ: 主治医による職場復帰可能の判断】
■労働者からの職場復帰の意志表示及び職場復帰可能の診断書の提出
休業中の労働者から職場復帰の意思が伝えられると、事業者は労働者に対して
主治医による職場復帰可能の判断が記された診断書(復職診断書)を提出する
よう伝える。診断書には就業上の配慮に関する主治医の具体的な意見を含めて
もらうことが望ましい。
【第3ステップ: 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成】
■情報の収集と評価
情報の収集と評価の具体的内容は以下の通り。
・労働者の職場復帰に対する意思の確認
・産業医等による主治医からの意見収集
・労働者の状態等の評価
「治療状況および病状の回復状況の確認」「業務遂行能力についての評価」
「今後の就業に関する労働者の考え」「家族からの情報」
・職場環境の評価
「業務及び職場との適合性」「作業管理、作業環境管理に関する評価」
「職場側による支援準備状況」
■職場復帰の可否についての判断
収集された情報を基に事業場内産業保健スタッフ等を中心にして行う。
小規模事業場では労災病院勤労者メンタルヘルスセンター等の外部資源の
助言をうる必要がある。
■職場復帰支援プランの作成
職場復帰支援プラン作成の際に検討すべき内容について下記に通り。
・職場復帰日
・管理監督者による業務上の配慮
・人事労務管理上の対応
・産業医等による医学的見地からみた意見
・フォローアップ
・リハビリ出勤制度等の利用の検討、事業場外資源が提供する職場復帰支援
プログラム等の利用の検討
【第4ステップ: 最終的な職場復帰の決定】
■労働者の状態の最終確認
症状の再燃・再発の有無、回復過程における症状の動揺の様子等について
最終的な確認を行う。
■就業上の措置等に関する意見書の作成
産業医等による「職場復帰に関する意見書」等の作成
■事業者による最終的な職場復帰の決定
職場復帰の決定を行い、労働者に通知する。
【第5ステップ: 職場復帰後のフォローアップ】
■症状の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認
症状の再燃・再発についての早期の気づきと迅速な対応が不可欠である。
■勤務状況及び業務遂行能力の評価
労働者の意見だけでなく管理監督者の意見も見合わせて客観的な評価を行う。
■職場復帰支援プランの実施状況の確認
予定通り実施されていない場合には、関係者間で再調整を図る必要がある。
■治療状況の確認
主治医の意見を労働者から聞き、必要に応じて労働者の同意を得た上で主治医
との情報交換を行う
■職場復帰支援プランの評価と見直し
様々な視点から現行の職場復帰支援プランについての評価を行う。何らかの問題
が生じた場合には、関係者間で連携しながら臨機応変にプランの変更を行う必要
がある。