上司として部下の心の問題を捉えるためには
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上司として部下の心の問題を捉えるためには、、多面的な視点を持つ必要があります。
■「5W1H」で問題を捉える
部下に問題行動がある場合、「5W1H」を念頭に置いて考え・分析すると、問題の
中味がわかりやすくなります。
つまり、
・それが誰にとっての問題なのか(本人にとっての問題か、周囲にとっての問題か)
・問題の性質はどうなのか
・どこにおいて問題なのか(職場においての問題なのか、それとも家庭においての
問題なのか)、
・どんなときに問題なのか(いつも問題なのか)
・そもそも、どんな問題なのか
以上の点をはっきりさせておく必要があります。
■「事例性」と「疾病性」に分けて考える
職場で部下の精神医学的なトラブルが疑われた場合、一般的に職場関係者は精神科医
など専門家ではないわけですから、必要以上に精神医学を持ち出す必要はありません。
むしろ、問題を「事例性」と「疾病性」との2つに分けて考えていくことが大切になり
ます。つまり上司としては「事例性」を重視する姿勢が大切になります。
ここで「事例性」というのは、上司の命令に従わない、勤務状況が悪い、仕事がで
きない、周囲とのトラブルが多いなど、実際にあらわれている客観的事実で、関係者
がその変化にすぐに気がつくことができるものです。
一方、「疾病性」とは症状や病名などに関することで、幻聴がある、被害妄想がある、
統合失調症(精神分裂病)が疑われるなど、専門家が判断する分野のことです。
すなわち、職場で何か精神的なトラブルを感じた際には、病気の確定(疾病性)以上に、
業務上何が問題になって困っているか(事例性)を優先する視点が重要です。
たとえば、「職場で何か奇妙な行動をとる人がいる」と周囲が感じた際には、統合失調症
だ、うつ病だといった精神医学的な診断を下す(疾病性)のではなく、本人もしくは周囲に
どう影響しているのかという現実面を捉らえることが先決になります。
「出勤状況が不規則だ」「仕事に集中できず、周囲に負担をかけている」「そうした
状況を本人は少しも自覚していない」など具体的に把握していくのです。その結果、精神
医学的に問題がありそうと判断されれば、次の段階として、どうやって精神科医につなげ
ていくのか、その方法と役割分担を職場として考えていきます。その際、カウンセラーや
産業医に関係者間の連絡調整役を依頼しなければなりません。
■部下の話のきき方を身につける
当たり前のことですが、話をよく聞くことが重要です。きき方を身につけ、職員の具体的
な情報を得ていかなければなりません。
"きく"には3つあります。これを”きき方”の「AHL」といいます。
上司としては以下の3つのきき方(AHL)を身につけておかなくてはいけません。
①「訊く・尋く」(ask)
相手に質問して回答してもらう。
②「聞く」(hear)
選択してきく、きき流す(きき流して忘れてあげることも大切です。そのことが
相手の安心感に繋がることもあるからです)。肝心なことのみ頭に留める”きき方”
です。3つの"きく"のなかで、一番難しい行為であるとされています。
この能力がないと、いい"きき"手にはなれません。
③「聴く」(listen)
こころにとめてきく。ただし、全てこの"きき"方をしていると、きき手の方がつぶれ
てしまいます。
■部下の観察の仕方を身につける
観察は、以下のように3つの「A」で行います。
①「遅刻・無断欠勤」(absenteesm)
これらの行為が続くようだったら、警戒する必要があります(家庭あるいは職場に
おいて何かがあると考えなければなりません)。
②「事故・ミス」(accident)
事故・ミスの頻発は、当人の注意力が落ちている証拠です(たまたまということも
ありますが、ヒヤリ・ハットに遭遇する機会が多い人は要注意といえます)。
③「飲酒」(alcoholism)
飲酒の機会が多いかどうかも注意しておく必要があります。
アルコールは人のこころを狂わします。神経細胞の働きを麻痺させ、判断力が低下
します。
■メンタルヘルスケアには4つのケアがあることを念頭に置く
従業員のメンタルヘルスケアには、以下のように4つのケア(4つのケアのことを
「SLSS」と呼ぶ)があることを念頭に置いておく必要があります。
①「セルフ/S」
自分のことは自分で判断する(セルフケア)。
②「ライン/L」
ラインでケアをする(上司⇒部下)。
③「スタッフ/S」
スタッフの力をかりてケアをする。
大企業では、産業医等、従業員の健康を管理する職種がいます。中小企業等、その
ようなスタッフがいない場合は、外部資源を利用してもよいでしょう(例えば、EAP
と契約するなど)。
④「資源/S」
地域社会の公的な相談機関(保健所、産業保険センター)と手を組む。
自部署内で解決できないことは、スタッフや外部資源の力を借りなかえればなりません。
問題を職場として抱え込まないことが大切です。